2014年12月20日土曜日

「朗読室 10」よこく

朗読室 10  「路地と人と朗読」



この10回、神保町の路地と人で朗読室を開いてきました。


そこは空っぽの空洞で


詩を、ウタを声に出すところでした。


**


ことばはどのように必要とされるのでしょう


例えば


生まれた子供は立ち上がり歩きたいと欲するように


コトバを欲している


コトバが欲され、獲得されたものだとすれば


そのときそれはどのような現れをしたのでしょう


その声の響きを聴く


今度の夜は冬至と新月が重なる朔旦冬至


月も太陽も死と復活を迎えるという不思議な夜です


境目と境目の間が路地となり人が行き交う


そこで交わされるコトバ


ここで交わされるコトバ


ココで言葉を発すること


この夜、欲された言葉から、どの
ようにか、なにかは交わされるのでしょうか

***

12月17日より路地と人にて展示が行われている工藤冬里さんをお迎えし、


会場も展示のままにお借りして、2部構成で行うことにしました。


既にある誰かのつくったもの、いまつくられた自分の言葉、


文字、絵、音、光、時間その他、言葉の形は問いません。


いま声にしたいコトバを持っておこしください。


読まずに聴きたい方も歓迎致します。


お待ちしております。


________


開放日 : 12月22日 ( 月曜日 )

第1部・持ち寄りの朗読とお話・ゲスト 工藤冬里さん・17:00〜19:50・入場料 : 500円 ( 口直し付 )

第2部・工藤冬里さんによる朗読と演奏・20:00〜・入場料:500〜1000円 ( スラインディング・スケール制 )

※第1部・第2部共に途中入退出自由

場所 : 路地と人

( 企画協力・原田企画 )



2014年11月10日月曜日

「朗読室 9」 あとがき

朗読室 9  本日朗読されたもの。


雨宮庸介「1300年持ち歩かれた、なんでもない石」国東半島芸
術祭「希望の原理」)より全文

・カセットテープ音源「第19回 津軽弁の日(津軽弁の日やるべし会)より抜粋

・西脇順三郎「秋」西脇順三郎詩集 那珂太郎編」岩波文庫 1991年

西脇順三郎「あい」(山口恵理 訳)西脇順三郎詩集 那珂太郎編」岩波文庫 1991年
子音開発前のヒトザルの気持ちで朗読を試みる。詩の中の子音を消去、母音だけに変換して読まれた詩の全文が前掲のタイトルのように「あいうえおん」のみで構成される。)

・西脇順三郎「夏の後、冬の前」(山口恵理 訳)(『西脇順三郎詩集 那珂太郎編』岩波文庫 1991年)
  ※(すでにあるものの翻訳をするという行為についての考察。ひとつの詩からまた別のものの生まれる可能性を探る。)


口直しとして 




今夜の朗読室は、旅の話から始まりました。様々な朗読の形が集まったので、異なる価値感・文化に触れる事=未知の言葉に出会う時、身体の運動からくる言葉か、意味からくる言葉かを体感できた面白い機会になりました。ありがとうございました。


2014年11月8日土曜日

「朗読室 9」よこく

朗読室 9  「紡がれる言葉、声にする言葉、ウタになる言葉」



文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。
ここは詩を、うたを声に出すところです。

**

言葉はどのようにウタになるのでしょう

例えば
文字として紡がれた言葉を声に出してみる
声として出た言葉を文字にしてみる
言葉が姿や形、次元を変えて行き来すること
まずは
そこから考えていけそうな気がしています。

***

既にある誰かのつくったもの、いまつくられた自分の言葉、
文字、絵、音、光、時間その他、言葉の形は問いません。

いま声にしたい言葉を持っておこしください。

読まずに聴きたい方も歓迎致します。

お待ちしております。

________

開放日 : 11月10日 
入場料 : 500円 ( 口直し付 )
利用時間 : 19時から22時(途中入退出自由)
場所 : 路地と人




2014年10月23日木曜日

「朗読室 8」 あとがき

朗読室 8  本日朗読されたもの。


・きたやまおさむ•よしもとばなな幻滅と別れ話だけで終わらない ライフストーリーの紡ぎ方」朝日出版社)より抜粋

新•幻聴妄想かるた解説冊子「天国」ハーモニー / 就労継続支援B型事業所)より抜粋

もろ米画伯 画集「深煎りコーヒーをどうぞ 一杯目」LUNETTS~リュネット~もろ米&エロ大魔神二人サークル誌 / ハーモニー気付)より抜粋

ガートルード・スタイン「メキシコぱくきょんみ訳)※「地理と戯曲 」書肆山田)より抜粋


口直しとして 



晦の夜の朗読室は、境目が漂う晩になりました。意図せず集まった人や本や言葉は、不思議と通じるものがあり、それは今までのどの晩とも、どの朗読室とも違うものに思いました。ありがとうございました。

https://twitter.com/rojitohito/status/525288057407143936
https://twitter.com/rojitohito/status/525288315847589888
https://twitter.com/rojitohito/status/525288448282722304

「朗読室 8」よこく

朗読室 8      「晦と朗読」





文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。


ここは詩を、うたを声に出すところです。


**


ひと月の終わりに何をしましょう


明日から始まる新しい月に


今日で終わるこの月に


一息入れて朗読などいかがでしょう


息を吐きながら朗読する


そして息が入ってくる


***


いま声にしたい言葉を持っておこしください。


お待ちしております。


________




開放日 : 10月23日 


入場料 : 500円 ( 口直し付 )


利用時間 : 19時から22時(途中入退出自由)


読みたい本、声に出したい詩集などを持ってお越し下さい。

読まずに聴きたい方も歓迎致します。

場所 : 路地と人


2014年9月27日土曜日

「朗読室 7」 あとがき

朗読室 7  本日朗読されたもの。


・ガートルード・スタイン「スージー・アサード」「フランス」(金関寿夫訳)、「アメリカ人」(ぱくきょんみ訳)、「つぎ。」(志村正雄訳)
※(「地理と戯曲 」書肆山田
・「ポリ画報vol.1(原牧生、外島貴幸、辻可愛、漆崎泰子)」(ポリ画報編集室)より全文


*口直しとして 
幸水葛と胡麻だれ南京の翡翠蒸しと露地かぼす
藤袴を添えて。
輝音食堂さんより)




秋分の朝の朗読室は、まるで光も音の様で、その場で朗読する・声を出す「間」に変化を与えたようでした。朝の空気は独特で気持ちがしゅっとなります。そのカラダから朝の終わりまでを朗読室から眺めることができました。ありがとうございました。
https://twitter.com/rojitohito/status/514201005869654016

2014年9月23日火曜日

「朗読室 7」よこく

朗読室 7      「朗読と朝」




文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。

ここは詩を、うたを声に出すところです。

**

おはようございます

朝の挨拶のように声を出してみる

人に

場所に

身体に

***

いま声にしたい言葉を持っておこしください。

お待ちしております。


________


開放日 : 9月23日
 
入場料 : 500円 ( 口直し付 )

利用時間 : 7時から11時(途中入退出自由)

読みたい本、声に出したい詩集などを持ってお越し下さい。
読まずに聴きたい方も歓迎致します。

場所 :路地と人


2014年8月25日月曜日

「朗読室 6」 あとがき

朗読室 6  本日朗読されたもの。


・アルセーニイ・アレクサンドロヴィチ タルコフスキー「白い、白い日―アルセーニイ・タルコフスキー詩集」(エクリ)より抜粋
・宮沢賢治「新編 銀河鉄道の夜〜オツベルと象」(新潮文庫)より抜粋


*口直しとして 
冬瓜の翡翠煮、じゅん菜、つるむらさきの磯和え、梅びしお
( 輝音食堂さんより)

**

本日の朗読室。窓や扉を開けたままに、外の音と中の音の境目を曖昧にして、ロウソクの炎のゆらぎと、照らされる文字とが作り出す空間は、自然と囁くような声になっていました。紡がれる話は飛んだり膨らんだりして流れていきました。ありがとうございました。

https://twitter.com/rojitohito/status/503909627642142720

「朗読室 6」よこく

朗読室 6      「夏のおわりの朗読室」




文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。

ここは詩を、うたを声に出すところです。

**

夏のおわりの朗読室

蝉の鳴き声も響きます

蝉がそのカラダいっぱいに声を響かせるように

今宵の新月は

神保町の夜空の空洞に

自分のカラダという空洞に

その声を響かせてみませんか?

***

いま声にしたい言葉を持っておこしください。

お待ちしております。


________


開放日 : 8月25日 

入場料 : 500円 ( 口直し付 )

利用時間 : 19時から22時 ( 途中入退出自由 )

読みたい本、声に出したい詩集などを持ってお越し下さい。
読まずに聴きたい方も歓迎致します。

場所 : 路地と人

2014年7月20日日曜日

「朗読室 5」 あとがき

朗読室 5  本日朗読されたもの。


・プラトン「  国家〈上〉」 (岩波文庫、藤沢 令夫 訳)より抜粋
・「白い乳房 黒い乳房―地球をむすぶ72のラブ・メッセージ」(ホーム社)より抜粋
・岸田衿子「いそがなくてもいいんだよ」(童話屋)より抜粋


*口直しとして 
https://twitter.com/rojitohito/status/490752457023053824
・シナモンのベーグル(べーぐる屋モランさんより)
杏子のジャム甘玉蜀黍とローズマリーのサラダ  ( 輝音食堂さんより)


**
本日の朗読室。梅雨の曇り空の湿気を受けつつ、目で文字を追う早さとは異なる、目で見てから声に出すことの時差を味わう。もどかしさも独特の空気感に気づくと、彩りに変わりました。ありがとうございました。


「朗読室 5」よこく

朗読室 5      「本日朗読室。」




文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。

ここは詩を、うたを声に出すところです。

**

今日という日
ここで声を出して読むこと
それは
ドコカノダレカノナニカに
触れることかもしれない

***

いま声にしたい言葉を持っておこしください。

お待ちしております。


________


開放日 : 7月20日 

入場料 : 500円 ( 口直し付 )

利用時間 : 11時から14時(途中入退出自由)

読みたい本、声に出したい詩集などを持ってお越し下さい。
読まずに聴きたい方も歓迎致します。

場所 : 路地と人

2014年6月28日土曜日

「朗読室 4」 あとがき

朗読室 4  本日朗読されたもの。

・北原白秋「抒情小曲集  思ひ出」より抜粋
・寺山修司「戦後詩 ユリシーズの不在」(講談社文芸文庫)より抜粋
・樋口一葉「樋口一葉和歌集」 (ちくま文庫)より抜粋
・藤井貞和「続・藤井貞和詩集」(現代詩文庫)より抜粋


*口直しとして 
https://twitter.com/rojitohito/status/482799278666940416
・ゴマのベーグル(べーぐる屋モランさんより)


本日の朗読室、梅雨空の中、蒸しましたが、ウタによって涼むという事を知りました。雨が降ったり止んだり、今の気候を感じながら、言葉にフレル時間が持てました。ありがとうございました。

2014年6月27日金曜日

「朗読室 4」よこく



朗読室 4      「ふらり朗読室」




文字があふれる神保町に、からっぽの空洞を開きます。

ここは詩を、うたを声に出すところです。


目で読むことと、声に出して読むこと

ひとりで読むことと、ひとりが読むこと

ここで読むことと、あそこで読むこと

昨日読むことと、明日読むこと

ふらりと気が向いたときに読みたいウタがみつかること

自ら言葉を声に乗せて吐き出す

また、場を共にするモノのその行為に聞き入る

知っていたウタも知らなかったウタも

声に乗るたびに新しい経験として生まれる

いまがイマでなくなる今をつくる

いま。

**

声にしたい言葉を持っておこしください。

お待ちしております。


________


開放日 : 6月28日 

入場料 : 500円 ( 口直し付 )

利用時間 : 13時から16時

当日は読みたい本、声に出したい詩集などを持ってお越し下さい。
読まずに聴きたい方も歓迎致します。

場所 : 路地と人

2014年5月26日月曜日

「朗読室 3」 あとがき



朗読室 3  本日朗読されたもの。

・萩原朔太郎「萩原朔太郎詩集 新潮社版」(新潮社文庫)より抜粋
・瀧口修造「瀧口修造の詩的実験 1927~1937」(思潮社)より抜粋



*口直しとして
赤辛子菜と人参の白和え
輝音食堂さんより)



5月26日 昨晩の朗読室、途中から降り始めた雨の音にも耳を傾けながら、じっくり掘り下げた朗読にふれる事ができました。ありがとうございました。

2014年5月20日火曜日

「朗読室 3」よこく



朗読室 3      「ことばのこえをウタにできるか?」






文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。



ここは詩を、うたを声に出すところです。



ことばのこえとはナンダロウ。

形のある「書かれた文字」から身体を使って、形が定まらない声を出す。

身体全体を空洞にして、ただ声に耳を澄まし、響かせる。
コトバニフレル。

その発せられたコト・バの声によって、ウタを作りたいのです。

その響きは、空っぽの空間をどう振るわせるのか。

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いま声にしたい言葉を持っておこしください。

お待ちしております。


________


開放日 : 5月26日 

入場料 : 500円 ( 口直し付 )

利用時間 : 19時から22時

場所 : 路地と人


2014年4月28日月曜日

「朗読室 2」あとがき

朗読室 2  本日朗読されたもの。
・古賀忠昭「金愛花日記」(冊子「子午線」古賀忠昭遺稿拾遺)より一部抜粋
・Christian Morgenstern「モルゲンシュテルンのこどものうた」( Lisbeth Zwerger/編・絵、池田 香代子/訳)より全文
・セリーヌ「夜の果ての旅(上)」( 生田耕作 訳 ) より一部抜粋
・プラトン「メノン」(藤沢令夫訳)より第1、2章 

口直しとして
「春野菜の生姜味噌漬け」
白かぶ、春人参、のらぼう菜を、玄米甘酒で甘口に仕上げた生姜味噌で漬けたもの。
( 輝音食堂さんより)
**
4月28日の開放日も、無事終了いたしました。言葉とそれを選んだ人との関係の過去・現在・未来などが垣間見られた不思議な朗読日和でした。ありがとうございました。

「朗読室 2」よこく

朗読室 2 「 今日 朗読する 」



今日、朗読室を開放します。

朝起きて思う。

今日一日なにをするか。
今日なにができるか。

言葉を声にすること。

いつもしていること、どこでもできること。

ここは詩やウタを声に出して読むところです。

今、気になる詩やウタを持っておいでください。

名をつけ、開かれた場所は待つことができます。

朗読室は、集いではなく、場であり、ここにあることが必要です。

詩やウタが読まれるところがここにあります。

ここで朗読することができるし、そこでもできます。

明日朗読することもできるし、今することもできます。

朗読室は今日が開放日です。

お時間があうようでしたら、是非起こし下さい。

お待ちしております。

_________________

開放日 : 4月28日

入場料 : 500円 ( 口直し付 )

利用時間 : 19時から22時

場所 : 路地と人

2014年3月31日月曜日

「朗読室 1」あとがき




朗読室 1  本日、朗読されたもの。
・李白「黄鶴楼送孟浩然之広陵」
・荘子「内篇 : 逍遙游篇 第一 ( 冒頭部分 ) 」
・ガートルード・スタイン「地球はまあるい」( ぱくきょんみ訳 ) 全文
・エミリー・ディキンソン「極楽までの距離なんて」
本日の開放日は、無事終了いたしました。密度の濃い、充実した朗読日和でした。ありがとうございました。
https://twitter.com/rojitohito/status/450627551593902080

2014年3月29日土曜日

「朗読室 1」よこく

朗読室 1 「虚空になげるコト・バ」




ここは詩を、うたを声に出すところです。

文字があふれる神保町に、ただ静かにからっぽの空洞を開きます。

開放日は不定期です。

ここでは、なるべく私語をつつしんでください。
小さな穴です。
その虚空が、その言葉で埋まっててしまわないように。

今月の開放日は、
ちょうど新月で、空もからっぽのようです。

いま声にしたい言葉を持っておこしください。

ただ静かに、お待ちしております。


**


虚空に投げられた言葉は、いつの、なにに届くのか。

詩や うた の言葉は、コトになる要素を含み、一つのバを作り出す。


耳をかたむける。

言葉を、文字や記憶や、経験、感覚をたどりながら声にのせる。

からだを振動させて音になった声は、発している最中から、かたむけている耳に、からだへと戻ってくる。

受信と発信との連動した運動、その渦は、体の空洞にどのように響きを膨らませるのか。

響きがつくるコト・バのかたち。
それをあじわう。

ただ、それだけのところです。


***


王様の耳はロバの耳、と叫んだあの話。

思わず叫んだ、そのちょうどいい穴はどこにある

その穴に投げられた、言葉はそれからどうなった

________


開放日 : 3月31日

入場料 : 1000円 ( 飲み物、口直し付 )

利用時間 : 黄昏時から22時

場所 : 路地と人